8、中今の思想 ちょうど友人から、来世の話しが出たので、ここに書いておきますね。 古来より日本人は、この私達の魂というものが、今生きている人生(今世)で終わることなく、今は、前世の続きであり、そして今は、来世につながっていく過程であることは、すでによくご存知のことと思います。 仏教の開祖であられますお釈迦様も、お釈迦様として悟りを開かれるまでには、幾たびも生まれ変わり死に変わりをされてきたことを、仏典の中で語っていらっしゃいますね。 日本の戦国時代には、浄土思想というものが、流行りました。 今、生きていて良いことがなくても、決して希望を忘れてはいけない。 今を大切に生きるということは、来世に幸せになって生きることの出来るパスポートなのだと、こういう教えを、人々は本当にありがたく思いながら生き抜いて来たんですね。 逆に言えば、その時代、幸福を求めることは不可能だったんです。厳しい時代でした。 時代が経って、今は、過去にはなかったほど、平和で自由な時代になりました。 ただ、今までにはなかったほど、一人一人が多忙な時代でもあります。 忙しいとどうしても、やりたいことが後回しになってしまうのは、確かなところです。 しかし、本来、浄土思想というものは、戦乱期の代わりの思想でしかありませんでした。日本人の日本元来の思想というものは、「いまを生きる」これを、神道の中今(なかいま)の思想と申します。 戦乱の世ならともかく、現代人はこれでなくてはなりません。 いま、目の前に、ちょっと頑張れば出来る環境があるのに、それをやらない。 これは、単なる「怠り」でしかありません。 「今」を大切にすることを心がけると、人間、自ずと明るくなります。 その時、気をつけなければいけないのは、大人としての自覚を持つことです。 つまり、周囲の迷惑になっても、我を通すというのは、中今の思想ではありません。 私のやりたいことが、同時に誰かの希望にもなり、また自分自身もより良い方向に向上していける。これが、中今の思想です。 出来ないことを、心に持っていると、わだかまりが生じます。 いろいろな理由があると思います。 時間がないから。年だから。お金がないから。思ったほど、上手く出来ないから。 でも、いいんです。出来ないことまで、あなた自身も神様もそれをあなたに望んでいません。 自分の出来る限りのことを精一杯、一生懸命努力する。 そこに、感動と喜びと美しさが、生じるんです。 そして、少しでも上手に出来たら、もっと頑張りたい。もっと上手くなりたい。 これが、日本の神様の願いに叶う、日本人らしい、健全な精神のあり方ではないでしょうか? 2010年。1970年代一世を風靡しつつ、1980年9月1日、惜しまれながらも解散したピンクレディーが、あれからちょうど30年経って、改めてある宣言をしました。 それは、「解散やめた!」宣言です。 今までも何度か、一時期の再結成を繰り返し、その度に私達に、不死鳥のような彼女達の煌く姿を、私達に見せてくれたお二人でしたが、そうすることで彼女達自身にも、ある決意が固まりつつあったのです。 「私達は、歌が好き、踊りが好き、そして何よりも『ピンク・レディーと』いう、他の誰もが決してマネの出来ないこのユニットが好き。どうして解散したからという理由で、どうして時代が過ぎたからという理由で、どうして年をとってしまったからという理由で、辞めなければいけないんだ。私達は、やりたい!だから、解散辞めます!」 このお二人の決意はね、皆さんにもたくさんの勇気を与えてくれるものだと思いますよ。 |