人生の書

12、先生に好かれる生徒になるには


 私達占い師が忌み嫌う人間は、自分で努力しようとせず、すべて丸投げして、自分の人生の責任さえも負わせようとする人間である。

 今の学校の先生は教えてくれないのだろうか?


 私は、中学校の時すでに、当時の先生からこんなことを言われている。

「人に聞く前に、ちゃんと自分で調べて来なさい。もう一度自分でよく考えてみなさい」

 だから、大切なこと、ましてや自分の人生について、自分で何の考えもなしに、占い師に丸投げするというのは、私は考えられないことだった。
 真剣な人間の姿勢とは、気迫としてきちんとこちらに伝わってくるものであるし、どんな職業に就いている方であっても、皆さんそれなりに、各々の生きる「道」というものが出来上がっているはずなのである。

 『論語』で有名な孔子(B.C.551〜B.C.479)は、やる気のない人間を嫌ったことで有名である。それは、以下の言葉から見ても、それを伺い知れることができるだろう。


 子曰く、墳せずば啓せず。せずんば発せず。一隅を挙ぐるに、三隅を以て反せずんば、即ち復びせず。(述而(じゅつじ)第七)

子曰、不墳不啓。不不発。挙一隅、不以三隅反、則不復也。

 先生が言われた。奮起している者でなければ、その糸口を見つけてやらない。自ら言葉を発しようとしている者でなければ、それを助けることはしない。一つの隅を指し示すと、他にも三つの隅を指し示すような者でなければ、その者に二度と教えてやらない。



 先生は教えてくれるもの、親はやってくれるもの、神は助けてくれるもの、国は面倒をみてくれるもの。
 こんな甘えた考え方を持つ人は、その甘い考え方を改めない限り、本当に人から愛される人間には、到底なり得ない。

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