私塾 紫微垣
物語の中に登場するあの言葉

「天知る、地知る、我知る、子知る」

〜 四 知 〜

仮面ライダーストロンガー

※石森章太郎原作の子供向けヒーロー者の、特撮テレビドラマ。
  1975年(昭和50年)4月5日〜12月27日放送。


仮面ライダーシリーズの7人目の男である。

彼の決め台詞の中に、こんな言葉がある。



  『天が呼ぶ 地が呼ぶ 人が呼ぶ 悪を倒せと俺を呼ぶ』



当時、子供だった僕は夢中で観ていました。
歴代の仮面ライダーが勢ぞろいした時には、本当に格好良かったな〜(^^♪

ストロンガーを演じていた荒木しげるさんが、つい先日お亡くなりになられていたことを知りました。

あなたから伝えられた正義を想う心は、現在も仮面ライダーシリーズが続いているように、僕達の胸にしっかりと刻み込まれています。

                           合掌(2012.4.29)


《出典》 『後漢書』楊震(ようしん)伝(天知、神知、我知、子知)
      『十八史略』東漢      (天知、地知、我知、子知)


《原文》〔後漢書、楊震伝より〕

至夜懷金十斤、以遺震。震曰、故人知君、君不知故人、何也。密曰、暮夜無知者。震曰、天知、神知、我知、子知、何謂無知。密愧而出。

《読み下し文》
夜に至り。金十斤(じゅっきん)を懐にし、
以(もっ)て震(しん)に遺(おく)らんとす。

震(しん)曰く、
「故人、君(きみ)を知る、君、故人を知らざるは、何ぞや」と。

密(みつ)曰く、
「暮夜(ぼや)なれば知る者無し」と。

震(しん)曰く、
「天知る、神知る、我知る、子知る、何ぞ知るもの無しと謂うや」と。密(みつ)愧(は)じて出ず。


《訳文》

後漢(AD25〜220)の時代、
楊震(ようしん)という一人の政治家がいた。
彼は、不正を嫌う、心正しき人であった。

50の年に地方の官吏となり、さらに秀才という名の役職に就いた。(秀才とは、官吏の試験の名を指す。しかし彼はこれを受けずして、それに抜擢されたのである)


さて、彼が東莱郡の太守になった際、昌邑という町に滞在していると、一人の男が訪ねてきた。昌邑の長官職にある王密である。

王密はかつて楊震の引き立てによって、現在の職に就くことが出来たことに大変感謝していたのだ。


その日の夜中、王密は彼に会うと、懐からおもむろに金(賄賂)を取り出し、楊震に渡そうとした。

楊震はそれを受け取らずこのように彼に言った、
「あなたは私のよく知っている人間だ。それなのにあなたはわたしのことを忘れてしまったのか? これは何であるか?」

「いえ、良く存じ上げております。どうかお受け取りください。このような夜中のこと、誰も知る者はおりません」


楊震は応えて言った。
「天が知る。地(神)が知る。私は知っている、君だって知っている。誰も知らないことはない」

これを聞いた王密は恥じ入り、去っていった。

物語の中に登場するあの言葉1


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