ひとりぼっち
〜誰にも理解されない人へ〜
ひとりぼっちの言葉は、一人法師から来ているそうです。
法師は、お坊さん。
どこの宗派にも属さずに、ただひとり正しい教えを説いてまわった人のことです。
ひとりぼっちは寂しいけれど、
自分と向き合うには、ひとりぼっちがいちばんいい。
人にかこまれていると、麻痺してしまうことがらも、
ひとりでいれば、良いも悪いも冷静に判断ができます。
ひとり法師は、たったひとり、
時には意地悪され、時には蔑(さげす)まれ。
寂しくなかったのでしょうか?
法師様には、仏様がいつもいらっしゃいました。
踏まれても蹴られても仏を一心に信じ続けるこの法師様を、
あたたかいまなざしで、いつも見つめていらっしゃいました。
そして、法師様を見つめていらしたのは、仏様だけではありません。
もうひとりの法師様。そう、ご自分自身がいつも法師様の鏡となって、
病める時も、喜びの時も、いつも法師様と一緒になって、法師様を見つめていらっしゃいました。
法師様は、どうしていつもひとりぼっちでいらっしゃるのでしょうか?
法師様は、ひとりぼっちを続けて、一体何になるのでしょうか?
法師様は、仏様になるのです。
そして、またひとり、あらたな法師様が現われた時に、
その法師様をお守りするのです。
寺千代
人生とは
戻る