幸運の大福もち
(365回目の開運!)


僕が小学校の時のお話です。

朝礼台に上った校長先生が言いました。

「ある男の子が、大福もちを食べました。
その子は、一個、二個、三個、・・・全部で五個の大福もちを食べました。
五個目の大福もちを食べたので、その子は、お腹がいっぱいになりました。

みなさん、これは正しいですか?

そう、違いますね。
その子は、五個目の大福もちを食べたから、お腹がいっぱいになったんじゃなくって、
続けて五個の大福もちを食べたから、お腹がいっぱいになったのです。
みなさんも、今日、急に二学期の終業日になったわけじゃあありませんよね?
毎日、毎日、勉強、運動、一生懸命してきて、やっと二学期の最後を今日、迎えたのです」

僕は、この話が大好きです。
まさか小学校の時の校長先生が言った話など、覚えているはずもないのですが、
このお話しだけは、いまでも僕の心に残っているお話です。


今日は、こうして時間をかけて大人になった僕が、鑑定を通じて、
とても感動したお話をふたつご紹介したいと思います。


1.久々に会った女性の友人が言いました。
「寺千代に引っ越しを観てもらって、この2ヶ月、一生懸命に探したんだけれど、
夫婦二人分の方角(ご主人は、自衛隊の方で現在寮に入っています)を
合わせようとすると、なかなかいい物件が無いの。
おまけに、方位だけ合わせるんじゃなくって、
言われたとおり、家相も良いところを探そうとしたら、無くて無くて、
悲鳴をあげていたんだけれど、
ここまでやったんだから、もういいやって、あきらめようとしていたの。

そうしたら、旦那の後輩にあたる人が
「俺の住んでいた官舎なんだけどさ、あまり毛嫌いしないで、一度見に来ない?
家を買うから、もう出るんだけど、そんなに悪い条件じゃないと思うよ」
そう言ってくれたんだそうです。

この場所は友人のご主人の寮からは、目と鼻の先。
どちらにしろ、勤務地からは、あまり遠くないところでないとまずいのです。
たまたま近くにあったその官舎は、私が出した夫婦それぞれの条件にぴったりの方位。
そして、家相も、「パーフェクト」とまでは行かないものの、
ほぼ文句なしの、すばらしい好条件の物件でした。

「寺千代に言われた条件と方角を重ね合わせて、
あぁ、ここならいいやと、灯台下暗しとはこのことかと、
なんで初めからここを探さなかったんだろう」と
本当に嬉しそうに、淡々と僕に話してくれたのです。


「物件は、どれくらいの数探したの?」と言うと、
「200件じゃ足りないかも。
インターネットで片っ端から探して、ダメで。
この物件どう?って言ってくれた友人の物件が家相がダメで。
本当につらかったけれど、ようやく見つかったの」
そう言っている彼女の語る姿を見ていたら、打たれたように、感極まってしまって・・・。

彼女がこれほどに、方角を気にするには、訳があります。
20代の頃に、そういったものをまったく考慮せずに、自宅を購入してからというもの、
幾多の障害に見舞われて、とてもつらい目に遭ってきたのです。
当時、本人たちは、気にせずに購入したのですが、
買ってしまってから、彼女のお母さんに言われて、
知り合いの神主さんに方角を観てもらったそうです。

「方角が、悪いからせめて時期をずらすように」

そう言った、助言も、当時の友人には届かず、話半分で聴いていると、
「じゃあ、言ってやろうか!」と言って、二人の運勢を次々に当てたそうです。
まぁ、それならば仕方ないかと、渋々、時期を何ヶ月ずらした。
二人にとっては、家賃をその分、多く払わねばならないし、
疑惑と不満ばかりが出てきたそうです。

ところが、その家に住み始めてから、様々なことが起こった。
まるで、目に見えるかのように、その時、方位と家相の影響の大きさを痛感したと言います。

それから、10年。
たまたま気学師に成り立てほやほやだった私と知り合ってから、
何かあるたびに、彼女は方位鑑定依頼してきましたが、
今回こそは、本当に真剣にならざるを得ないという気持ちが、あったんだと思います。
知らず知らずのうちに、良くない方位を取ってしまう何かが、この二人にはあります。
運の良い方は、鑑定などしなくとも、自然に良い方位に行くものです。
自然と方位を選び、自然と吉相の家に住んでいらっしゃいます。

彼女からは、私も色々なことを学びますが、
今回の引っ越しで、ぜひ吉運を掴み取って欲しいと思います。



2.友人が子供の名づけにやってきました。
仕事が忙しく、なかなか鑑定ルームに来れない人間ですが、
奥さんや子供のためには、いくら注いでも注ぎ足りないほどの愛情を注ぐ人間です。

彼の子の名づけは、困難を極めました。

ふつう、名づけというと、画数だけで判断します。
しかし、私は、音霊も使って観るのです。
占いは、数字が大きくものをいう世界ですが、条件が限定されればされるほど、
吉の効果からは、はずれていくのです。

彼は、まず先に、音を決めてしまいました。

ひらがなでの読み方が、先に出来てしまっているわけです。

彼は手始めに、自分が良いと思った漢字を、三つ、メールで送ってきました。

私は、もうその時、子供の未来しか考えていませんから、
「こんなの当て字じゃないか!」と言って返したのです。
(本当に、そう思ったのです。)

すると、「これはどうかな?」と言って、あらたな漢字を三つ、メールで送ってきました。

「全部、合わない。メールで、やりとりはむずかしいと思う。何とかしてこれないだろうか?」
「わかった。行く」

そうして、ニ、三日後、彼はやってきたのです。

「今日は、時間ある?」
「うん」
「僕は、名づけは行わない。
自分の親につけられた名前のほうが絶対良いに決まっているから。
今日は、良い名前が決まるまで、お付き合いするから、頑張っていい名前をつけよう」

そう言って、彼が来る前に準備しておいた、
パソコンに関数を入力してあった、即席の計算表を使って、
彼が準備した漢字を片っ端から観ることにしたのです。

「これだけ考えてきたんだけど」
そう言って彼が見せてくれた、名前の書かれた漢字は、ざっと100個はありました。

手帳に、びっしりと丁寧に書かれた名前と、
また、さらに、あたらしく書かれたであろう、漢字と、
自分でも調べたであろう数字、
それに漢字の持つ意味が、ちぎれたメモにも、三つづつ書かれていたのです。

僕は、その中から、良いと思われる漢字をひろって、
画数を算出して、パソコンに入力していきました。

僕は、OKの名前に○をつけ、彼にチェックをお願いしていきました。

二時間近く、ふたりでそうしていたでしょうか?

「お、これ良い?」
「いいよ」
「決めた!これにする!!」
「この名前にすると、この子は普通の仕事は無理だよ。もう芸術家にしかなれないよ」
「いい!この子は芸術家にする」

男版「産みの苦しみ」は終わりました。
僕は言いました。

「この子は、確かに君と奥さんの子かも知れない。
でも、僕は、子供の立場に立って、こんなに愛されて誕生できることを、
こんなに自分のために一生懸命に名前をつけてくれた君のことを、友人として誇りに思う」

彼は、僕の書いた鑑定用紙を、
大事に大事に手に持つと、まっすぐにこちらに向かって「ありがとう」と礼をすると、
鑑定ルームを後にしていきました。


僕は、この二人から、努力というものが、なんなのか学びました。
努力は、目に見えないと言いますが、やはりそれは、
やりとげたという表情となって表れます。

不可能なことはなにもありません。

前回、占いブログで、「占いの弊害」と書きましたけれど、
あまりにも何かのせいにする方が多いような気がしてなりません。

足りなければ、足してやればいいんです。

無理ならば、出来る限りのことをしましょう。

それ無くして、なんの開運でありましょうか?





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寺千代


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