祈りの風景
〜「悪いことがおきませんように」と祈ったある女性の話〜
                                    

以前、お客様に渡した人形(ひとがた)(強力な祓いの力を持つ)を
再びお預かりした時に、ふと見てしまったのだが、
「悪いことがおきませんように」
という願いごとが書かれていた。

彼女はとてもとても真剣になって、
そこに願いをこめて、
僕のところへ持ってきた。

神様への祈りは、
人によって、
多種多様であると思う。

僕は神様じゃないから、
ひとりひとりの願いがどんなものなのか、
もちろん分かりはしない。

ただ、普通、願いというものは、
「こうありたい」という
プラスの想いを、
神様に言上申し上げるものである。

この頃の彼女は、
海外から戻ったばかりで、
この先どうなっていくか、
不安で仕方ない時期だったのだと思う。


・・ここで、人形の解説を少し。

人形とは、人の形をした紙である。
人の形をしたものは、それだけ
想いが宿りやすくなっている。
丑満つ時の呪いのわら人形も、
おんなじように人の形をしているが、
こちらの
大祓いに使われる人形は、
たとえ悪いことを願ったとしても、
そこは御神霊のなさること。
書いた本人やその方の周囲にとって、
いちばん良い様な結果しか、
出してはくださらない。


さて、日本には古くから、
【言い当たる】と言う言葉がある。
言ったそのように、運命が動いていくという意味である。
これが言霊の力で、
縁起担ぎなどとも言われる。
良い言霊をたくさん発していけば、
自ずと運は開けていくのである。
私の占いのお客様方が、
どんどん幸せになっていく理由は、
実はこんなところにある。
間違っても、占い師たる人間は、
人を傷つけ心痛めるような
言葉を使ってはならない。

さて、この彼女の場合は、
「悪いことがおきませんように」
と、祈ってしまった。
これは、本人の
潜在意識は、
【悪いこと】
に意識がいっているため、
どうしても願いがプラスに働きづらくなってしまう。

神様にお願いする時は、必ずプラスの言葉を使うようにしなければならない。
なぜか?
先日立って書いたこと。
【神は自ら救うものを救う】からである。

彼女の場合、このように書けば良かったのだ。
「良いことがたくさんありますように」と。

このお客様、最近人づてに聞いたのだが、
その後、海外で一緒に暮らしていた彼と別れてしまい、
長い時間、情緒不安定になっているらしい。

もちろん、本人の努力や
考え方もある。

ただこの頃は、まだまだこのような解釈を知らない、
私の駆け出しの頃だったから、
願いの仕方がなんとなくおかしいなぁといった程度で、
注意を促してあげることが出来なかった。
神様に
お任せしていたのである。

言霊でいちばん恐ろしい言葉をご存知だろうか?
それは「殺す」という言葉である。
昔の日本では、とかく忌み嫌われていた言葉のひとつだ。
通常は、「死なす」という表現を使う。
いまは「ぶっ殺す」なんて平気で使われてしまう。

人を呪わば穴二つ。

悪しき言霊は、
発した本人も、
発せられた相手も、
共に不幸にしてしまう。

これを読んでくださった方は、
今後の人生ではもう、
この言葉を使わないように、
心がけていていただきたい。

言霊でいちばん美しい言葉をご存知だろうか?
それは
「ありがとう」という言葉である。
人も、自分もともに幸せになれる、
魔法の言葉である。


ありがとう

寺千代
                                                                 開運法
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